SaaSがISVのビジネスに起こす変化:マーケティング、ソフトウェア開発、その他(Webinar抄訳)

Windows Azureの製品サイトにpartnersページがあります。

http://www.windowsazure.com/en-us/community/partners/

英語表記/日本語表記の切り替えは左下の言語設定で選択可能です。

このなかの”Learn about it”というセクション(日本語では「詳細情報」セクション)に
“How SaaS Changes an ISV’s Business”というシリーズのWebinarが6本リンクされています。

いずれもビジネス系の方に向けた内容です。今回は最後の6番目、”Marketing, Software Development, and More”の簡単な訳です。

(日本語訳の各セクション末にある数字は、ビデオの経過時間目安です。赤太字は特に関心を持っていただきたい部分です)

以下抄訳

あなたの会社が既存ISVの中でリーダーの位置にいるのなら、製品をどのようにマーケティングするかについはよくご存知でしょう。そうでなければビジネスを維持していけないはずですから。

しかし、Software as a Serviceを売り始めると、SaaS製品のマーケティングは違うということに気付くでしょう。そして、違うのはそれだけではないのです。

製品サポートが変わり、業務オペレーションが変わり、ソフトウェアの開発方法すら変わるのです。これから私は、こういったことについて少しお話します。(0.28)

まずSaaS製品のマーケティングについての話から始めましょう。オンプレミスの世界との明確な違いの一つは、あなたの顧客はオンラインにいること(顧客はSaaSソリューションを探していること)、ですからオンラインマーケティングにより力をいれることは理に適っています。

すなわち、Google AdWordsやBing adCenterのようなサーチエンジンマーケティング(SEM)に注意を払うことになります。また、SEO(Search Engine Optimization)ー あなたの製品が該当分野の検索結果で上位に表示されるように工夫することーにも注意を払うことになります。(1.02)

こういったことは、オンプレミスのソフトウェアにおいても意味があるのですが、オンラインに集中するSaaSの世界では、より重要性が増すのです。(1.11)

もうひとつ覚えておいた方が良いのは、SaaSの世界においてはWebサイトがあなたの企業そのものになるということです。営業リソースを確保できない低価格のSaaS製品の場合は特にそうなります。

質の高いWebサイトを作るために時間とお金をかけることは、大変重要です。(1.30)

あなたのサイトは、潜在顧客がアプリケーションの価値をできるだけ早く感じられるようになっていなければなりません。

ほとんどのSaaSアプリケーションにとって、最初のゴールは無償試用版にサインアップしてもらうことです。そのプロセスはできるだけ簡素であることが必要ですし、潜在顧客に製品の価値をできるだけ簡単に見せられるものでなければなりません。

オンプレミスソフトウェアではうまいデモが必要不可欠であるように、SaaSアプリケーションでは無償試用版で迅速に明確なユーザ価値を提供することが必要不可欠です。(2.05)

これをうまく実施することが、試用版を商談に変えるために大きな役割を果たします。言うまでもありませんが、試用版のユーザのうちのどれだけが有償顧客に変わるのか、がマーケティングと営業のプロセスがどれぐらいうまく回っているのかを測る指標になります。(2.22)

SaaS製品をひとたび販売したら、次はサポートをしなければなりません。SaaSアプリケーションにおける上質の顧客サポートはオンプレミスアプリケーションにおける良いサポートと非常によく似ています。(2.35)

たとえ顧客が、アプリケーションを見つけるところからサブスクリプション購入まですべてをWeb経由で済ませたとしても、問題が起きたときには人と話したいと思うはずです。ですからWebベースのみのサポートでは十分とは言えないでしょう。(2.50)

顧客サポートのもう一つの側面は、アプリケーションがダウンしたときの対応です。すべてのSaaSプロバイダーには障害が起きますー誰も完璧ではありませんーそして、顧客にとっては嬉しくないことですが、たまに起きるダウンタイムは避けがたい事実であるということをたいていの顧客は知っています。

公開しているSLAを守ることはもちろん大事ですが、障害の起きている間、およびその後に顧客とどのようにコミュニケーションをとるか、も重要です。(3.20)

障害の原因と、サービスの復帰がいつになるのかについてオープンかつ透明性を持って顧客にリアルタイムに知らせることが大切です。

あなた自身が顧客だったら何を望むか、を考えてみるのはあなたが顧客に何を提供すべきなのか、を考える際にとても有効なガイドになります。(3.37)

SaaSへの移行は、あなたのビジネスのオペレーション面にも影響があるでしょう – 時には目に見えた形ではないかもしれません。

たとえば、もしあなたがこれまでライセンスを売ってきたISVであるなら、ユーザ単位、月額単位での請求ができるように請求システムを変更しなければいけないかもしれません

そして、顧客が異なれば要望も異なるので、そのシステムには多少の柔軟性が必要かもしれません。請求書を毎月欲しい顧客もいれば、半年ごとに欲しい顧客もいるでしょう。(4.07)

あなたは、SaaSアプリケーションを運用していくための経常費用も負担しなければなりません

従量課金制のプラットフォームでアプリケーションを構築するのは理に適っているといえるでしょう。なぜなら、よりたくさんの費用を負担しなければならない時は、成長によって収入も増えている時ということになるからです。

それでも、運用コストをカバーするのに十分なだけの顧客をまだ確保できない新しいSaaSアプリケーションでも、この費用については計画しておかなければなりません。(4.32)

SaaSがもたらす、その他の大きな変化としては、あなた自身がアプリケーションの稼働に対して責任を持つということがあります。

従来のオンプレミスの製品では、顧客が、自社のデータセンターであなたのソフトウェアを動かしていました。

SaaSの場合は、あなたが外部の複数のデータセンターを使ってソフトウェアを運用することになります。(4.53)

また、ダウンタイムのコストは上昇します。

オンプレミスアプリケーションの場合は、顧客のデータセンターで障害を起こしても、影響するのはその顧客のユーザだけでした。SaaSアプリケーションで障害が起きると、その影響はすべての顧客のすべてのユーザに及びます。

あなた自身がSaaSアプリケーションの運用に精通することがとても重要なのです。(6.18)

根本的には、スキルを持つスタッフと、常に稼働させるべきアプリケーションに求められる可用性への意識を醸成することです。

従来型のISVのほとんどにおいては、このスキルセットは現在の組織にあるものとはかなり異なるものです。つまり変化が必要なのです。(5.39)

SaaSへの移行はさらに既存のISVに対して大きなインパクトを与えます。SaaSを取り入れることは、ISVがどのようにソフトウェア開発をするかという部分も変えるのです。

このインパクトは、SaaSアプリケーションが、自身の管理下にある少数のインスタンス(マシン)で運用されていて、更新が容易であるということに起因します。それぞれの顧客のサイトでインストール済みのコードを変更しなければならない、オンプレミスのアプリケーションの場合とは異なります。

SaaSアプリケーションの更新は、自身が走らせている唯一のコードを変更するだけです。(6.19)

このことはいくつかの重要なことを示唆しています。

最初に、SaaSアプリケーションはほとんどの場合、オンプレミスアプリケーションよりも頻繁に更新がされるということです。比較的容易に更新ができるのですから、新機能を顧客により早く提供しない手はありません。

新バージョンを1-2年ごとに出すオンプレミスのアプリケーションと違って、SaaSアプリケーションは毎月、もしくはもっと頻繁に更新ができるのです。(6.47)

ここから自然に引き出される結論として、ウォーターフォール開発のプロセスはSaaSにはうまく当てはまらず、アジャイルプロセスの方が適合する、ということです。

SaaSが提供する迅速な更新を考えると、長期間にわたる計画と開発というサイクルは適合しないのです。

これまでアジャイル開発を採用してこなかった場合は、SaaSに移行することがきっかけでその方向に向かうことを避けられないでしょう。(7.15)

SaaSを採り入れることは、ISVのビジネスに数多くの面で変化を起こします。

時には、こういった変化が大きすぎて、組織構造を考え直さざるを得ないということもあるかもしれません。(7.31)

その点については、3つの選択肢が考えられます。

最初の選択肢は、SaaSを自社の既存の組織のままで採り入れるケースです。これなら最小限の変化しかありませんので、たいていの企業はここからスタートします。(7.46)

しかし、既存のオンプレミスビジネスと並行して新しいSaaSビジネスを運用していくのは困難でしょう。

オンプレミス製品の方が当面のコミッションをより大きく生むとわかっているのに、どうやって同じ営業担当者に、SaaSも並行して販売させることができるでしょうか?

リリーススケジュールが大きく異なる別々の開発グループをどうやって管理していくのでしょうか?やっていくことは可能です。でも大変です。(8.11)

2番目の選択肢は、SaaSグループを組織の中に新しくつくるものです。(8.17)

SaaSだけに注力した独立グループであれば、このモデルにふさわしいプロセスや評価指標を持つことができるので、1番目の選択肢であげた様々な困難を避けることができます。

それでも、新しくクールな製品を売る新しいグループを組織することで、課題も生まれます。

たとえば、このグループに属する人たちと他の組織に属する人たちとの間で緊張状態が生じることもあるでしょう。(8.42)

こういった緊張状態は、対処していくこともできますーこれは、SaaSへの移行に限らず、新しいことが始まるときには起こりうることですしーでも、ISVによっては3番目の選択肢を選ぶでしょう。SaaS専任の新しい事業部をスピンオフさせるのです。(8.57)

この選択肢であれば、SaaSに関わるビジネス全体を丸ごと新しく作ることができます。魅力的な考え方かもしれませんが、一番大きな変化を伴います。

SaaSを提供するだけのためにすべてのビジネスを二重で持つことが本当に必要ですか?もし、提供するSaaS製品が既存のオンプレミス製品の別バージョンであるとしたら、それでもそうしますか?(9.19)

どこにも唯一最善な解はありません。それぞれのISVが、自社の製品ミックス、顧客、競合などに基づいて、それぞれの道を選択するのです。(9.30)

既存のISVにとって、SaaSを採用することは小さなことではありません。信頼性、スケーラビリティを備えたSaaSアプリケーションを構築するための技術課題もかなりのものですが、SaaSがもたらすビジネス課題は、ずっと大変なのです。

人々とプロセスを変化させることは、たいていの場合ソフトウェアを変更するよりも難しいのです。(9.52)

しかし、たとえSaaSがすべての企業、すべてのアプリケーションにとって合うとは限らないとしても、このアプローチは急速に広がっています― 顧客達は、気に入っているのです。

もしあなたの企業が、今のところオンプレミスのソフトウェアだけに注力しているとしたら、あなたには、ある一つの選択肢しかないことを私は確信しています。

SaaSからの挑戦に対峙する準備を整えておいてください。(10.14)

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