SaaSがISVのビジネスに起こす変化:顧客、課金モデルと収入(Webinar抄訳)

Windows Azureの製品サイトにpartnersページがあります。

http://www.windowsazure.com/en-us/community/partners/

英語表記/日本語表記の切り替えは左下の言語設定で選択可能です。

このなかの”Learn about it”というセクション(日本語では「詳細情報」セクション)に
“How SaaS Changes an ISV’s Business”というシリーズのWebinarが6本リンクされています。

いずれもビジネス系の方に向けた内容です。今回は3番目の、”Customers, Pricing, and Revenue”の簡単な訳です。

(日本語訳の各セクション末にある数字は、ビデオの経過時間目安です。赤太字は特に関心を持っていただきたい部分です)

以下抄訳

SaaSへの移行によって既存のISVのビジネスがどれだけ変化するか、ということはどれだけ強調してもし過ぎることはないぐらいです。最初は、SaaSモデルへの対応はテクノロジーの変化にすぎないように見えます。それぞれの顧客のデータセンターで走らせていたソフトウェアではなく、今度は外部のデータセンターに配置される共有ソフトウェアを開発するだけであると。(0.18)

実は、このテクノロジーの変化はあなたの会社の広範囲にわたって影響を及ぼします。ターゲットとする顧客、製品の価格体系や、収入の把握方法といったことさえも含むあらゆることが変化する可能性があるのです。(0.32)

まず対象顧客の変化から見ていきましょう。SaaSアプリケーションによって、今ターゲットにしている市場の顧客へより効果的にリーチできるかもしれません。(0.40)

たとえば、CRMアプリケーションはクラウドと非常に相性が良いですから、すでに選択肢があります。多くの顧客はSaaSを望みますから、オンプレミスでCRMアプリケーションを販売してきたISVはSaaSバージョンも併せて販売するようになっているかも知れません。

マイクロソフトがその一例です。Dynamics CRM Onlineは、オンプレミスのCRMに加えて提供されています。(1.03)

また、SaaSアプリケーションを開発することで新しいターゲット市場の顧客にリーチしようとしているかもしれません。(1.10)

たとえば、SaaSアプリケーションはオンプレミスのアプリケーションよりも通常初期価格が低く提供されます。ですからISVは、既存アプリケーションのSaaSバージョンを利用して、価格に敏感な顧客層にアプローチすることができます。

このアプローチをとることは簡単ではありませんーSaaSによる低価格オプションは、既存オンプレミス製品市場とカニバリゼーションを起こすかもしれませんーそれでも、やってみる価値はあります。(1.35)

本当のところを言えば、新興のSaaS企業との競争によって、このオプションをとらざるを得ない状況に置かれることになるかもしれません。他の人に自分のランチを食べられる前に自分で食べよう、というのは理に適っていると言えるでしょう。(1.47)

他にも、既存の企業がSaaSを利用して全く新しいビジネスに参入するということもあるかもしれません。この場合は、ターゲットとなる顧客はこれまで通常追っていた市場と全く違うものになります。Google Appsはこの代表的な例です。GoogleはSaaSを使って、マイクロソフトがメールとデスクトップソフトウェアで確立したポジションに攻撃をしかけました。

どのケースの場合でも、SaaSを採用するとターゲットとする顧客層が変わるので、狙いをつけている市場について明確に認識していることが非常に重要になるのです。(2.24)

そして、どんな顧客をターゲットとする場合でも、SaaS提供の価格はオンプレミス製品とは違ったものになることでしょう。(2.32)

パターンは様々ですが、SaaSアプリケーションの価格は通常次にあげる3つのオプションに分類できます。

サブスクリプション:1ユーザあたり、1か月あたりの課金など

特定の単位:トランザクション単位課金やストレージの利用量単位など

無償:無償オプションにはフリーミアムモデルも含みます。これは、基本的な製品は無償で提供され、上位機能だけが課金されたり、広告に支えられたりするモデルです。(3.02)

SaaSアプリケーションのタイプや市場の違いによって、このモデルの選択は異なるでしょう。アプリケーションによっては、複数の価格モデルを組み合わせることもあるかもしれません。

それでも、現在もっとも多くのケースではユーザあたり月額で課金する、サブスクリプションベースの課金体系が採用されています。このアプローチでは、顧客が前払いをする場合には値引きを提供するのが一般的です。つまり、11か月分の料金を前払いすれば、そのSaaSアプリケーションを12か月使えると言った形です。(3.38)

ユーザはこの形式を好みますー誰でも値下げは好ましいわけですがーそして、このオファーに顧客がよりコミットするので、離脱(チャーン)リスクを下げます。前払いによってSaaSプロバイダーのキャッシュフローも改善し、収入の速い成長に貢献します。(3.55)

実際のところ、計上する収入がオンプレミスとSaaSでどれだけ時間の経過に伴って違ってくるのかは、精査する価値があります。(4.04)

従来のオンプレミスアプリケーションでは、収支は最初はマイナスですーアプリケーションの開発のためにお金を使うからです。でも出来上がったら、ライセンスを売ることで新しいアプリケーションはすぐにかなりの金額の収益を生み始めます。

もちろん、この収入は不意に落ちることもありますーたとえば世界的な金融危機があってーそしてすぐに復活したとしましょう。従来型のライセンスモデルでは収入のカーブはかなり凸凹したものになるでしょう。この例が示しているように。(4.39)

SaaSアプリケーションの場合、最初はよりコストがかかるのが普通です。特に初めてのSaaSアプリケーションを開発する際には。新しいモデルをどのように扱うのか、学ぶことになります。

顧客が獲得できるまでの間もアプリケーションを稼働させるためにいくらか支払う必要があります。これも初期投資の増加につながります。(5.00)

サービスが利用可能になると、SaaSアプリケーションの収入は通常ゆっくりですが滑らかにに推移します。

たとえばもし金融危機があったとしても、SaaSアプリケーションから得られるサブスクリプション収入は安定しています。

新しいサブスクリプションの獲得はストップするかもしれませんが、既存のサブスクリプションからの収入は継続して入ってきます。

収入の成長が遅いことにより、SaaSアプリケーションの収支が損益分岐点を迎えるのに時間がかかるのは避けられない事実です。

しかし、長い目で見ればSaaSアプリケーションはオンプレミスアプリケーションよりも長期の収入をもたらす力を持っています。資金の流入がただ遅いというだけなのです。(5.40)

典型的なSaaS価格体系がもたらすもう一つの変化は、収入のトラッキング方法です。従来のパッケージソフトウェアの場合は、どれだけの数のライセンスが売れたのかを追うことで評価するのが一般的です。

SaaSアプリケーションは通常このような価格付けではないので、違う評価指標が必要です。よくある方法の一つとしては、「Monthly Recurring Revenue (MRR=月次更新収入)」です。(6.06)

MRRは、毎月繰返し発生する収入の合計で構成されます。1回限りで発生する費用やサービスは含みません。

たとえば、ユーザ単位月額サブスクリプションモデルで販売されているSaaSアプリケーションの場合は、その月のサブスクリプション収入の合計額がMRRとなります。

カスタマイズ費用のような、繰返し発生するのではない費用は、ここには入りません。(6.29)

SaaSモデルの採用は、テクノロジーの変化にとどまりません。このアプローチで成功を収めるためには、ターゲット顧客が変わり、製品の価格付けが変わることを理解する必要があります。

さらに、企業として収入をどう評価するか、その収入がどのくらいの速さで得られるのか、についても考える必要があります。

SaaSでも多くの収入を得ることは必ず可能です。

そのためには、SaaSのビジネスモデルの実際について慣れなければなりません。

他には選択肢はないのです。(7.06)

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SaaSがISVのビジネスに起こす変化:顧客、課金モデルと収入(Webinar抄訳)」への5件のフィードバック

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  2. ピンバック: SaaSがISVのビジネスに起こす変化:移行(の損得)を見極める(Webinar抄訳) | TANTO – poco a poco

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